spriteの考察手帳

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世界政府は悪者?

まず、初めに筆者はガチのONE PIECE考察者ではない。

ONE PIECEの何巻の何話の何ページにこんな描写がある、ONE PIECEに類似した神話や伝説、歴史などを調べている、全てのONE PIECE考察の動画やブログを見た、などONE PIECEの考察に1日かけるようなガチ考察者ではない。

普段はポケモンのエメラルドや総合格闘技について月数回ペースで思ったことを書いているサラリーマンブロガーだ。

 

ONE PIECE自体は何度も読み直しているものの、扉絵やSBSは所々しか読んでいない。言わばその程度のフラット読者なのだ。そんな口が裂けても考察者とは言えないレベルのフラット読者がこのブログで言いたいのは、「ONE PIECEをフラットに読んでいくと不思議と気づいたり湧いてくる疑問がある」。これをブログとして発信し、共感者の共感や考察者の考察ネタ、あるいはファンのSBSのネタとして使ってもらえたらそれでいい、そんな趣旨のブログである。

それでは本題に入っていこう。

 

① 視点の違い

筆者達が強烈に政府側を敵、または恐怖の存在と思ったのは恐らく頂上戦争の時だろう。ルフィの兄エースが死に、大将赤犬の狂気的な信念に恐怖を覚えた読者は筆者だけではないと思う。

実はここで視点の違いが明確に描写されてるシーンが存在する。それはエースが死の間際に見ていた走馬灯だ。そこにはロジャーが死んでザマァみろと喜ぶ人々が描かれていた。

ここはかなり重要で、我々読者は言わば第4の視点というか、俯瞰的に海賊側も政府側も革命軍側も見ている。政府の闇や海賊達の良い面も両方見えているからこそ、政府の闇が諸悪の根源ではないか?と、それを前提にして善悪の判断をつけてしまいがちだが、ONE PIECE世界の一般人は当然そんな事を知らない。海賊など日々の生活を脅かす恐怖の存在でしかなく、政府はそれらから守ってくれる頼もしい存在という認識でしかない。

つまり、あの世界では大半の人々が現状維持を望んでいると言える。もしONE PIECE世界の住人が本当に改革を望んでいるのであれば、革命軍なりの反政府運動や、世界政府から脱退するように自国の王に対して奏上するなど、やりようはいくらでもあるはず。しかし実際にはそうなっていない。これは過半数以上の人間が政府に革命を起こすほどの不満を抱いていないという根拠になるだろう。無論、世界政府の実態や自分達の生活の下に奴隷などの犠牲者がいるという事を知らないという前提はあるが、そのような犠牲の上に成り立っているこの世界自体には不満がないと言える。

 

② ミスリードによる敵の誤認

そもそも最近のONE PIECEの話がこの辺の解釈をややこしくしている。クローバー博士が巨大な王国の思想と名前を言う前に射殺された件や、巨大な王国を滅ぼした者たちによる歴史の抹消とそれに伴う恐らく行われたであろう大量虐殺や大量破壊、本誌で登場した解放の戦士ニカ、世界政府から逃げ続けるニカの悪魔の実、Dの意志や白ひげが最期に言い残した言葉から、世界政府は何かを滅ぼし、口封じをした悪の組織というようなイメージがついてしまう。

 

ここで一つメタ的な視点で自分をその立場に置き換えて現実的に考えてみてほしいか。

もし、滅ぼされた巨大な王国が素晴らしい善政の国で、その思想が良いものであったとしたら滅ぼされたりするだろうか?むしろ悪い国だからこそ滅ぼされたりしないだろうか?

これとは逆に政府側の20の国が私欲のために巨大な王国を滅ぼした。これの方がしっくりはくるが、これはこれで違和感がある。私欲にまみれた国が20もあって、更にそれが団結して、しかも仲良く一ヶ所に住もうとするだろうか?

巨大な王国を滅ぼした後にほかの19の国を全て滅ぼして自分の1人勝ちを狙わないだろうか?それこそ世界の王を目指したロックスのように。

 

これの他に、扉絵シリーズでエネルの扉絵回の時に月の民が資源不足で地球に来たという話があり、天竜人が宇宙服のような服装なので、天竜人は月の民の末裔という考察がある。この考察は筆者も好きな考察なのだが、これが真実だとすると、アラバスタやドレスローザなどの人々の服装に一致性がないし、身体的特徴も共通点がないので真実に近いニア真実なのかなと思う。

そのため、我々の価値観でいう善悪の判断ではなく、部外者による侵略説ならこの世界政府の善悪判断など無視できるが、上述の共通点の無さから信略説そのものがないのかなと考えている。

 

もっというなら滅ぼした国側は現在アラバスタとドレスローザしか分かってないが、両方善政の国だったことがわかっている。つまり、私欲のために巨大な王国を滅ぼそうとするような国に見えないのだ。※1

 

しかし、巨大な王国が良い思想の国でなければ物語が破綻してしまうので、恐らく悪者ではないだろう。

しかし、世界政府になる20の国も悪者というわけではなく、恐らく何かやむを得ない事情があり戦争が起きてしまった。→自分達に正当性を主張するために巨大な王国の思想を抹消。→それに反対したアラバスタだけマリージョア行きを拒否。→世界政府樹立→最初は天竜人による権力暴走などなく平和な世界が数百年続く→次第に腐り始めて今に至る

こんな流れだろうか。

 

⑤ まとめ

世界政府が読者から悪者のように扱われているのは、政府のトップである天竜人が奴隷を使っていることや邪魔な者を暗殺している、歴史を抹消しており、弱者から立ち上がった革命軍の存在から世界政府は悪者、倒されるべき存在と思われている。

しかし、ONE PIECE世界の住人は世界政府の裏の顔を知らないとは言え、海賊の方が悪で現状世界一斉蜂起を起こすほどの不満はない。

世界政府が本当に悪の組織であれば20もの国が100年に渡って団結し、勝利した後、仲良く一緒に暮らすのは考えにくい。どこかで裏切って1人勝ちを狙ったりしてもいいところをしていない。つまり純粋な悪者ではなく、実は良い者だった。そうでなければ100年間20の国が団結して戦うなんてできない、その理由は滅ぼされた巨大な王国の方が実は悪者だったりするんじゃないだろうか?

ただ、こうなるとこれまでの物語やDの意志が破綻してしまうので、何らかのやむを得ない理由が両者にあって正義vs正義の構図で100年間の戦争になり、正当性のために歴史を抹消。勝てば官軍負ければ賊軍でどちらが勝っても空白の100年は生まれたのではないか。そして徐々に徐々に政府は腐っていった。

 

これが世界政府は本当に悪者?と疑問に思った内容だ。

疑問に思うほどのものでもないし、考察というほどのものでもないが、今後の展開でこの辺を払拭する描写があるといいなぁと思っている。

 

 

※1:

「ドレスローザはドンキホーテ一族が出ていったのでリク王家が善政だっただけで、ドンキホーテ一族が治めた国が善政だった証拠はない。しかし、善政をしていないとリク王家の様な素晴らしい一族は出てこないだろう。(反面教師というか可能性もあるが)

アラバスタは善政の国だったのでそのアラバスタが手を組む国は悪くはないだろうというメタ視点でかつてのドンキホーテ一族が治めてた国も善政だと判断した。」